『太陽の誘い 』 1998年スウェーデン映画 (タイトルクリック↑でDVD紹介ページがひらきます) |
【監督】コリン・ナトリー 【主演】エルフ・ラスゴード(オロフ役) |
【あらすじ】
オロフの父親は早く亡くなり、母親と二人暮らしだったがその母親も亡くなって、すでに9年がたとうとしていた。 今は一人で養鶏や酪農をしてまじめに働く毎日、犬と暮らしているが、年はすでに40歳になってしまった。 オロフは実は文盲で、だいぶ年下の友達エリックが、買い物をしたり、生産物を町に売りに行ったりしてくれて、お金をごまかされていることは、わかってはいるが、それでもエリックを信用して、お金も貸していた。 ある日、一大決心をしたオロフは新聞に 「孤独な農夫39歳家の世話をする若い女性求む。写真同封の事」 と広告を出し家政婦を募集する。 やってきたのは、都会的な雰囲気の聡明で綺麗なエレン・リントという女性だったが。 |
【猫の登場】
思いがけず、若く綺麗な女性が家政婦に応募してきてくれて、有頂天のオロフはまずやってきた彼女にすべての部屋を案内するのですが、一人暮らしなので2階は普段ほとんど足を踏み入れないといいながら開けた1部屋のベッドの上にくろっぽい仔猫が3匹くらい自由に遊んでいる様子が映し出されます。 猫が子供を産んで住み着き、追い出す気になれなくてね。と笑顔で話します。 「猫は好き?」 とオロフがエレンに聞くと、彼女もとても優しい笑顔でにっこり笑ってうなずきます。 オロフと一緒に寝ている犬はちょこちょこ映りますが、猫はこのシーンだけです。 この映画はオロフの穏やかな優しい人柄が全編にあふれているのですが、このシーンは、そのきわめつけでしょうか。 またエレンの笑顔も、とても柔らかく、こんな綺麗な人が田舎の家政婦としてやってくるなんて、きっとなにか魂胆があるに違いないと、汚れた心で決め付けて見始めた私をこの時点ですでに、「この女性もどうやらいい人らしい」と思わせてくれました。 |
【その他の感想】
のどかな田園風景から始まる映画で、ナチュラルカラーの、のんびりした田舎の景色がとても綺麗です。 40歳まで全く女性に縁がなかったオロフですが、突然現れた美しい女性を前にして嬉しさは隠し切れないのですが、ちっともいやらしさがなくて、とてもかんじがいいです。 日本では今時、読み書きができない人はいないので、オロフが文盲だということに、ちょっと、びっくりしますが、文盲だということと、文盲をひたすら隠そうとすることが、物語のキーワードであり、これによってお話がひろがっていきます。 また、綺麗でおよそ田舎の家政婦が似合いそうも無い雰囲気のエレンの秘密がなんなのかは、映画の中ではほとんどあかされませんが、それを勝手に考えて、エレンの物語りを考えてみるのも面白いかもしれません。 見終わった時、久々、いい映画をみたなという思いがしました。 |