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【監督】ジョン・スタージェス 【主演】スペンサー・トレイシー |
【あらすじ】
久しぶりに一人で海に出た年老いた漁師は、自分の乗った船よりも大きいカジキに出会う。 3日間の苦しい戦いの後、ようやくカジキを捕らえることができた。 しかし捕らえたカジキを引っ張って港へ帰る途中、鮫にであってしまい、せっかく苦労して手に入れたカジキをくいつくされてしまった。 骨だけとなってしまったカジキをひっぱって老人は帰港し家路に着いた。 |
【猫の登場】
この映画の猫の登場シーンはほんのワンカットです。 老人が精根つきはて、家に帰る途中、疲労で思わず倒れこんでしまいます。 その時、側を一匹のトラ猫と思しき小さい猫が通りかかります。 猫は倒れている老人を意に解していないという感じでそのまま、振り向きもせず行ってしまいます。 原作者のヘミングウエイの猫好きはかなり知られていますね。 だからきっと、この映画にも猫を登場させたのだと勝手に解釈したのですが、とおりかかった猫でさえ、知らん顔して行ってしまい、老人の悲しさや淋しさが猫によってより強調された感じがしました。 |
【その他の感想】
この映画を最初思い出した時、登場人物は老人のみだったのではと思ったのですが、物語の前後に老人を慕う少年が登場し心温まる老人とのやりとりがあり、淋しい老漁師に希望を与えます。 しかし、お話の中心は殆ど、海の上のスペンサー・トレイシーの演じる老人とカジキの戦いです。 やはり、一人芝居と言ってもいいような映画です。 年をとっても、海の上では力強く頼もしい姿がカッコいいとさえ思われました。 しかし、力つきてベッドに横たわり、彼がライオンの夢を見ているシーンで殆どエンドになり、もしかしてあのまま死んでしまうのかしらとチラッと思ってしまいました。 年をとる事はキャリアを積み重ねる事で、その素晴らしい経験で大きな獲物も手に入れることができたが、鮫までは退治できず、それが老いの悲しい現実であるという事なのだと思いました。 この老人には実在のモデルがいたらしいと本に書いてありました。 そして、この映画作りには、原作者のヘミングウエイも大きくかかわったようですね。 フロリダのヘミングウエイ記念館には今でも猫が沢山すんでいるらしく、スペンサー・トレイシーという名前の猫もいるんだそうです。 ヘミングウエイ記念館は私の行ってみたい場所ベストテンのうちのひとつです。 |