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【監督】トム・ティクヴァ 【主演】ベン・ウィショー(グルヌイユ役) |
【あらすじ】
18世紀のパリの町の魚市場で産み落とされたジャン・バティスト・グルヌイユは母親に捨てられ、子供の売り買いを商売にする女の元で育ちいつも孤独だった。 仕事が出来る年頃になって皮のなめし職人に買い取られ、まじめに仕事はしたが、自分の類まれな能力を生かす仕事がしたいと思っていた。 グルヌイユは生まれながらにあらゆるものを嗅ぎ分けられる驚くべき嗅覚を持っていたのだ。 ある日、仕事で町に出た時、香りにひきつけられて若い女性の後をつけて行き、驚かれて大声を出されたことから、黙らせる為にあやまってその女性を殺してしまいます。 やがて、かつては香水調合師として名をはせたことがある人(ダスティン・ホフマン)と出会い彼の元で素晴らしい香水を作り出していくのですが、グルヌイユはどうしても、あやめてしまった女性の香りのような究極の香水を作り出したいという強い思いを捨てきれず、更なる地に向かうのだったが。 |
【猫の登場】
猫は長毛系の白猫が一匹だけ登場します。 かつて人気を博したことがあるものの、今は年老いてすっかり調香能力を失ってしまったダスティン・ホフマンの香水ショップにこれまた年取って落ち着いた雰囲気のする老描と言った感じの白猫さんがいて、2回だけ結構クローズアップされます。 このクローズアップには意味があったと言う事がしばらくしてわかります。 いろいろな香りを抽出する事に夢中になってしまうグルヌイユの犠牲にされてしまうのです。 当然、この残酷シーンにはぬいぐるみの猫が使われているのでしょうが、それでもやっぱり想像するだけで恐ろしいです。 ジャコウ(ムスク)という香水の原料があるので、ジャコウ猫(そういう種類の猫はいませんけど)という発想と、猫の魔性がこういう映画にはぴったりだったのかもしれないとは思うのですが。 |
【その他の感想】
このところDVD専門で古い映画ばっかり見ていましたが久々、公開されてすぐの映画を見にいきました。 なにしろ、宣伝上手というか、気になるシーンをチラッとだけ見せられるものですから、 「あのおじ様は何故、あんなふうに泣いてるか?」 「いったい何をこそげとっているのか?」 「あの赤ちゃんは本物か?それとも作り物か?」 そして「あのおびただしい男女のヌードの群れはいったいなんなのか!」 そこらへんが知りたくて見にいってきました。 驚くべきラストだという評判もかなり気になっていました。 でも、おすぎさんが絶叫して言うほどのもんでもなかったなあ。 たしかにあのヌードの群集の撮影は大変だっただろうけど。 その後の本当のラストがイマイチぴんとこなかった。 主犯は雇い主だったってこと?って、今度は別のことが気になってしまいました。 原作にはそこらへんがどう書かれているんでしょうかね。 天才と狂気は紙一重って昔から言われていますけど、天才ではなくても単に一人の世界に入り込んでしまって、狂気に向かって殺人事件を起こしてしまうという事が現代にはありますから、そういう観点で見てしまうとただの暗く悲しいお話ですね。 |
公式HP: http://perfume.gyao.jp/ |