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『舟を編む 』2013年 日本映画
お勧め度   猫登場度
【監督】石井裕也    【主演】松田龍平(馬締光也役)
【あらすじ】
時は1995年、玄武書房の営業に配属された社員、馬締光也(松田龍平)は変人ぶりが目立っていたが、言葉に対する感性を買われて辞書編集部に移動となった。
営業ではダメ印だった彼が、ここでは力を発揮し、持ち前の粘り強さで、長い年月をかけて仲間とともに新しい辞書「大渡海」を完成させていく。
【猫の登場】
登場する猫は主演の馬締君に「トラさん」と呼ばれ、見るからにどっしり落ち着いた年行ってる風な、茶トラ猫さんです。
馬締君はタケおばあちゃん(渡辺美佐子)の古い下宿屋、早雲荘に住んでいて、トラさんは、どうやらタケおばあちゃんの飼い猫らしい。最初の登場は「にゃ〜」という泣き声。
その声を聞いてすぐ馬締君が窓を開けると、いつものことと言った様子で部屋に入ってきます。
ストーリーに直接関係はしませんが、トラさんは4シーンほど登場場面があり、やっぱりどう考えても、絶対に必要な役割を演じていると私には思えました。
トラさんはいつでも、ゆったりとしていて、人とのコミュニケーションが苦手な馬締君も猫には癒されているのが、たった4シーンながら伝わってきます。
馬締君が恋に落ちるタケおばあちゃんの孫、香具矢(宮崎あおい)と出会うシーンにもトラさんは同席してます。
(香具矢さんにだっこされて)
トラさんがオスなのか、メスなのかは私にはわかりませんでしたが、愛嬌のあるちょっとユーモラスな可愛い顔をしてました。
映画のホームページや、ポスターにもトラさんは登場していますが、お顔の可愛さは映画を観ないとわからないかもにゃ。
最初の登場ですでに年寄り風ですから、後半はタケおばあちゃんの遺影に抱かれた姿で登場し、
「10年以上の年月が過ぎて、今はおばあちゃんも猫も亡くなったのね」
と映画を観ている側は思い、同時に1冊の辞書をつくるのに、どれほど長い年月がかかるのかを実感します。
そして、ラスト近くに、またまた「にゃ〜」という泣き声がしますが、馬締君に
「トラさんの孫かも」
と言われ、馬締君の奥さん(宮崎あおい)にトラじろうと命名される茶トラの仔猫もチラっと登場します。
【その他の感想】
辞書を完成させるまでの15年間の努力と苦労のお話ですから、ストーリー的には地味ですけど、涙も笑いもあって、観終わったとき、とっても良い気持ちになれる映画でした。
原作は2012年のベストセラーだそうですが、私は読んでいなくて、映画を観ているときに、これは、実話を基にしたものだろうなどと思ってしまいました。
実際には作者の三浦しをんさんが無類の本好き、辞書好きだったゆえの作品のようですね。
(「大渡海」という辞書が本当にあるのかと。・・・にゃはは)
加藤剛さんが、辞書の監修者である国語学者役で出演してますが、最近のコマーシャルで拝見するお姿より、最初の頃の様子はよほど若々しく、12年後の設定でちゃんと歳月の流れと体調を崩したことによる年老いた雰囲気が出ていて、さすがだなと思いました。
渡辺美佐子さん、八千草薫さんといった昔々綺麗だった女優さんがすっぴんのおばあさん役を自然になさっているのも、印象に残りました。
(もしかしたら、渡辺美佐子さんは、更に老けメイクをしていたのかもしれませんけど・・・)
そうそう、オダギリジョーさんが主演の馬締君と対照的な明るくて軽いキャラ(チャラ男?)で、いい役を演じてました。
言葉の良さ、面白さを再認識させられ、人とのつながりの素晴らしさに思いを馳せるよい映画でした。
公式HP: http://fune-amu.com/

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