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『北海ハイジャック』
1980年アメリカ映画
(タイトルクリック↑でDVD紹介ページがひらきます)
お勧め度   猫登場度
【監督】アンドリュー・V・マクラグレン 【主演】ロジャームーア(フォルクス役)
【あらすじ】
北海の海上油田基地に向かうノルウエーの貨物船エスター号がクレイマーを首謀とする7名のグループにハイジャックされた。
クレイマー達の要求は24時間以内に2500ポンドの現金を5カ国の外国通貨で支払わなければ、油田基地を作業員もろとも爆破するというものでした。
船内では早くも乗組員に犠牲者が出始めます。

最悪の状態を回避すべく、緊急に召集されたのは、民間の潜水のプロを養成している組織のトップである実力者のフォルクスでした。
フォルクスはクレイマーが爆破ボタンを押す前に射殺すべく、分刻みの綿密な計画をたて海軍提督と油田基地の主任とともに船に乗り込みますが、首謀のクレイマーの感にふれ、フォルクスだけは乗船を許されず、計画は変更せざるを得ない状態になってしまいますが・・・

【猫の登場】
ハイジャック映画に猫が出るなんてと思いますが、この映画全編に猫があふれているんです。
実映像としての猫の登場はお話のはじめの方と終わりだけなのですが、ハイジャック犯をみごとやっつける、ロジャー・ムーア演ずるフォルクスが大の猫好きという設定で、猫が登場していない時もフォルクスの頭の中には常に猫がいる(私とおなじ)ようで、セリフの中にも「猫が・・・」「猫が・・・・」といつも猫を気使っています。

フォルクスはひげを蓄えた男っぽい風貌で、仕事っぷりもきわめて男性的なのですが、女性嫌いの猫好きでひまがあると刺繍を手がけるというかわったキャラクターです。 刺繍をしているところが何度か映りますが、勿論猫の刺繍です。
(それ欲しい!と思うほど、なかなかステキな猫の絵です。大きさから言って、仕上がり作品は、タペストリーかしらと思いました)

何故、極度な女性嫌いになったかという説明は、映画のセリフの中にありますが、何故そんなにも猫好きなのかの説明はありません。
まるで、女と猫は同じ次元のもので、女のかわりに猫を愛しているといったかんじです。

フォルクスがいったい何匹の猫を飼っているのかと、何度も巻き戻して見た限りでは、すくなくとも6匹はいました。
フォルクスの猫がいる部屋が写るのは、はじまってまもなくの出張に出かける前のたった1度だけです。
まず全色まぜまぜちゃんがクローズアップされます。
フォルクスが白黒ちゃんをベッドに抱き下ろし、ほんの一瞬、2匹が同時に映りますが、あとはすべて1匹ずつ映ります。
一番、寵愛を受けているのはキジトラちゃんらしく、旅行かばんの中に入っているところを、いったん、出されますが、一緒にでかけるつもりでまた入ってしまい、
「今回は留守番だよ」と再び、バッグから出されたりしています。
大金持ちらしく、札束どっさりの金庫があって、その上にクロちゃんがいます。
この仔にも、「行ってくるよ」 とフォルクスは挨拶をします。
出かけるドアの両サイドの椅子の上にクロちゃんとミケちゃんが座っています。
金庫の上のクロちゃんは寝ていたので、ドアのそばのクロちゃんはべつのクロちゃんと思われました。(どうでもいいのに、しつこくこだわってみました)
はっきりいって、映画の中に入っていって、
「何匹の猫さんとお暮らしですか?」と聞いてみたくて仕方なかったです。

【その他の感想】
こういうこだわりのある映画が大好きです。
海上油田爆破で、巨額のお金を要求する犯人グループをどう阻止し逮捕するかというだけで、立派な映画として成立するストーリー展開なのに、ヒーローをわざわざ極度な女嫌いの猫好きというかわったキャラクターにして、更なる面白みをもたせた、作り手の心意気と遊び心のようなものに、これぞ、映画の醍醐味といたく感銘したのは、私が猫好きだからでしょうか。

ハラハラドキドキで手に汗をにぎってしまうハイジャックグループをやっつけるシーンの後のエンディングがなんともほのぼのとして、しゃれています。
ラストのネタをばらしても、メインのハイジャック犯達との戦いの面白さを半減することはまったくないので、書いてしまいますが、フォルクスがみごと大役をはたし、沢山の命を救った褒美として望んだものは、地位でも名誉でもなく、ホワイトペルシャの仔猫だったのです。

フォルクスが、ホワイトペルシャの仔猫3匹を大事に抱えて、満面に笑みを浮かべ「この仔たちにミルクをあげないと」というのがラストシーンです。
こんなしゃれた映画、めったにないと思います。


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