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『 映画に愛をこめて アメリカの夜』1973年フランス・イタリア映画
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お勧め度   猫登場度
【監督】フランソワ・トリュフォー     【主演】ジャクリーン・ビセット (ジュリー役)
【あらすじ】
フェラン監督(トリュフォー監督本人が出演)はパリで新しい映画を作っていた。タイトルは「パメラを紹介します」。
ストーリーは息子が花嫁パメラをつれて初めて自分の両親の元に帰ってくるが、その花嫁が父親と恋に落ちてしまうというもの。
パメラ役は少し前、神経衰弱になった時の主治医と結婚したばかりの若く美しい女優ジュリー。その夫役の若手男優のアルフォンスは撮影スタッフのリリアーヌにぞっこんで、結婚まで約束しているというのに彼女の方は他の男にも気のあるそぶりで、アルフォンスは気が気でない。
撮影が開始されたものの、母親役の女優セブリーヌは撮影中もアルコールが手放せない上、セリフも動きも間違えてばかりでNGの連続だったり、リリアーヌにふられたアルフォンスが役を降りると言い出したり、それをひきとめようとなだめに入ったジュリーが一晩ベットをともにしてしまったことから、再び神経をおかしくして、部屋から出てこなくなったり、父親役のベテラン俳優アレキサンドルは若い男の恋人がいて、撮影途中で会いに行った先で事故で死亡してしまったりと次々にトラブルが発生して、苦労が絶えません。
【猫の登場】
撮影で苦労をすることといえば、動物登場シーンということで、その中でもやっぱりきまぐれな猫がその代表ということになるのでしょうね。
この映画の劇中劇でもストーリーには直接関係ないけれど、ドアの外にだした食事のすんだトレイに猫が寄ってきて残ったミルクを舐めるというシーンを撮影するため、小道具係がロシアンブルーと思われるグレーの短毛仔猫を用意して、わざわざお腹をすかせておいてトレイのそばに放すのですが、なんどやってもその猫はミルクをなめようとせず、逃げ出してしまいます。「ちゃんと演技のできる猫はいないのか、」と言われてたまたまいた、その施設の管理人の飼い猫のアメリカンショートヘアーを使ってみたら、一回で難なく思い通りの動きをしてくれ、無事撮影終了で見守る全員が安堵するという場面があります。
登場猫は2匹だけで、全部で2分程度ですが、グレーちゃんは仔猫だし、アメショーちゃんも可愛い顔の中猫でアップにもなります。お腹がすいていても人間の思うようにミルクに突進していかなかったり、どうせだめだと思ったタレント猫ではない方がいい演技(人間側からすると)をしてくれたりと、猫のきまぐれさをそれらしくユーモラスに表現してあって印象に残りました。
【その他の感想】
映画の撮影現場を映画にするというのも、監督自身が監督役で出演というのも珍らしいですね。
この監督さんが、いかに映画を愛しているかということを映画にしたということなのでしょう。途中、監督が寝ている場面でモノクロのシーンが3回あり、いつも子供がステッキをついて歩いているだけでセリフがないので、多分子供の頃の夢だろうとは思うのですが、最初は意味がわかりませんでした。特典映像の解説によると子供の頃から映画が好きだった監督が映画館のスチール写真を盗んだというエピソードを夢として織り込んだもののようです。
雪のシーンを作るため、大量の泡を噴出している場面はちょっと驚きでした。裏話というものはいつでも面白いものですね。
原題は「DAY FOR NIGHT」で昼間、カメラレンズにフィルターをかけて撮影すると夜に見えるので、これを映画の世界で「アメリカの夜」と言うのだそうです。

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